Category Archives: ビール評

勝手にビールアワード!2016

ようやく春らしい暖かさになってきた北カリフォルニアです。

さて、先日タカバシさんより〝勝手にビールアワード” という楽しいお題を頂きました
皆さんきっとたくさん、おいしいビールを飲んでいらっしゃると思いますので
Beer Study Group からはちょっと捻って

ノンアルコールビール (Non-alcoholic or Low-alcohol beer *後注)

について書かせて頂きます。

今年の2月に体のクリーニングとダイエットを兼ねて一か月間断酒しまして。

その期間に、せっかくなのでノンアルコールビールを飲んでみました。

何事も勉強です!

ノンアルコールビールを目にするたびに、こんなんビールじゃねぇーー なんて思っていた私が、手にする日がくるとは。

ちなみに職場の同僚たちからは

うえー (Ewwww)
どーしちゃったの (What is wrong with you?)
気持ち悪い (You disgust me)
体の為にいいことだ!( Good for you! – といいつつ、目が泳いでいる)

と散々な反応。きっとこれを読んでいる皆さんもそう思っているかも?

新しいビールがお店に入ってお客様に感想を聞かれた時は、正直に一か月の断酒中だと話しました。お客様からの反応は意外にも上々。アメリカ人の健康に対する意識の向上を改めて感じました。

さて、勝手にアワードするノンアルコールビールは最後に載せますが、まずは一か月体を張って実験してみた結果報告です。

まず、ノンアルコールでも、冷蔵庫から出して栓抜きでプシュっとやるという一連の動作が、すでに幸福感をもたらします。これは脳がアルコールを摂取したときの幸福感を覚えていて、パブロフの犬のようになってるんですね。

さらに、シュワシュワ感! 喉を通る炭酸がこれもビールを飲んでいる気分にしてくれます。ちなみにこのビールを飲んでいる気分 というのが曲者でして、ビール味のする飲み物を口にすることで、実際には酔っていなくても脳でアルコールを飲んだときのようなドーパミンが出るという研究結果もあります

アメリカですと特に、BBQやパーティに車で行くことが多いため、脳が騙されて酔った気分にならないのであれば(^_^)、運転手は自分用にノンアルコールビールを持って行くのもいいかもしれません。私はそうするでしょう。ソーダやジュースを飲むよりもパーティが楽しめそうです。

え? 肝心の味ですか?

それでは勝手にビールアワード2016年ノンアルコール部門 ベスト3!

3位と2位はタイです (← すでにやる気なし)

beck

 

 

 

 

 

 

 

BECK’S  ちなみにBeck’sは普通のビールもありますので、間違えて買わないようにご注意を。

crausthaler

 

 

 

 

 

 

 

Clausthaler 写真はラガータイプですが、アンバーのノンアルコールもあります。両方試しましたが、どちらも大体同じです。視覚で楽しめるかもしれません。

写真から気づかれた方もいらっしゃるかと思いますが、緑のボトルです。どちらも緑のボトル特有の匂いがあります(skunked beer) 。味をわかりやすく説明しますと:

アルコールの入っていないハイネケン

でしょうか。

ホップの香りは殆どなく、ビールの苦みと、舌に残るちょっとした甘みがあります。

それでは堂々の一位!

erdinger

 

 

 

 

 

 

 

ERDINGER!

ノンアルコールビールを買う必要があり、お店でこれを見つけたら絶対にErdinger! 実はお客様に教えてもらったんです。これがベストだと。試しに飲んでみたら本当にその通り。爽快感あり、ボトルはクリアなので匂いはなく、妙な甘さもなし。断酒期間中はお店でこのブランドを見つけただけで、テンションが上がりました。探していたクラフトビールを見つけたような高揚感。

断酒期間中に、ある疑問に辿り着きました。

どうしてビールを飲むのか

という基本的なことです。

酔うと気持ちがいいですし、リラックスできます。気分が上がってやる気が出たりしますよね。ストレス解消にもなります。

その代わり、アルコールは肝臓に負担をかけますし、飲み過ぎると二日酔いになります。辛いですよね。。二日酔い。

ノンアルコールは肝臓に優しくカロリーも低いのですが、残念ながら結論としては、本物のビールほど美味しくはありません。

ただ、私が一か月挑戦してみて感じたことは、ノンアルコールもある程度、ビールと同じ幸せを与えてくれるのです。冷蔵庫に歩み寄る幸せだったり、酒屋さんで新しい銘柄に出会う喜びだったり。自分はなぜビールを飲むのか、という理由の中に、ノンアルコールビールでも当てはまる項目があったのはとても嬉しい発見でした。

ですので、もし毎日お酒を飲んでいて、休肝日を作るのが難しいという方がいたら、私は週に何回かを普通のビールからノンアルコールビールに切り替えてみるのをお勧めします。

美味しくないのは致命的ですが(笑) ノンアルコールビールの利点は:
1.酔って眠くならないので、食後に読書や家事がはかどる
2.体重減ります!
3.休日のランチに飲んでも午後に活動できる
4.ソーダよりもカロリーが低い (コカ・コーラが140Kcalに対し、ノンアルコールビールは60Kcal) もちろんお水を飲むに越したことはないです。ハイ。

そしてやっぱり一番は、ビール解禁日の楽しさが増す、でしょうか♪

一か月の断酒を終えて最初に開けたビールは フレッシュなインペリアルIPA、Pliny the Elder でした。

みなさんの勝手にビールアワード、楽しみにしています!(^_^)
タカバシさん、楽しい企画をありがとうございました。

***********************

(後注) 国によって定義は違いますが、アメリカではアルコール分が0.5%以下であれば、ノンアルコールまたは低アルコールという名称で売ることが出来ます。つまり、全くゼロではありません。アメリカで購入される際は、くれぐれもご注意を。
このあたりも、いずれ禁酒法の歴史も含めてきちっと書きたいですね!

 

日本旅行記その① 城山ブルワリー 鹿児島の地で、鹿児島の食と

5月9日から2週間、日本で、日本のクラフトビールを勉強してきました。各地で素晴らしい人々、そして美味しいビールに出会うことの出来た最高の旅行。今日から数回に分けて、在米の私達から見た日本について、クラフトビールについて書かせて頂きます。

日本に着いた翌日、最初に訪れたのは、鹿児島にある城山ブルワリーでした。

 

(サインにかぶらないようにかがんでみたものの、両端に立てば良かっただけ?)

私、鹿児島に行くの初めてなんです、と言ったら、私も行ったことが無い、という人が大多数だった鹿児島。東京から新幹線で乗り継いで7時間 -ハワイに行ったほうが近いかもという鹿児島。昔は忍者も生きて帰れなかったという鹿児島(倉掛さん談)。東京を朝出発し、夕方に着き、翌日の午前中に鹿児島を出るというスケジュールでしたが、行って本当に良かったです!

けやき広場ビール祭りにも出店とのことでしたが、どうしても鹿児島の地で、飲んでみたかった城山ブルワリーのビール。他のクラフトブルワリーと大きく違う点は、城山観光ホテル内にある醸造所であり、ホテルのレストランで提供するために醸造 -つまりレストランの食とのペアリングに重点を置いたビール - を醸造しているという点ではないでしょうか。

まずは醸造所で、責任者の倉掛さんと、同じく醸造者である奥様のさとこさんに御挨拶。お忙しい中、色々と説明してくださり、本当に感謝です。

ホテル内のレストランで、倉掛さんのビールと鹿児島のお料理(写真はかごしま黒豚の角煮とさつま揚げ)とのペアリング。これは本当に鹿児島の城山ホテルでしか出来ない、贅沢な勉強です。 アメリカでもたまに、醸造者とレストランのシェフがコラボレーションをして料理とビールをいっしょに提供することがありますが、ここ城山観光ホテルでは、それが常時楽しめるわけです。(そしてもちろん、美味しい!)

“料理とのペアリングを考え、あまりアルコール度の高いビールは醸造していない” という倉掛さん。和食とのコラボレーションに関しては、常に試行錯誤で研究を重ねているそう。 実はこの時、スタウトにはカレーパンが合うかもしれない、という非常に面白いフードペアリングを教えて頂き、その後の日本旅行中に色々なスタウトとカレーパンを試した私達。まさに日本ならではの興味深いペアリング、堪能しました!

夜は同じく城山ブルワリーの醸造者、中嶋なつ子さんも合流してくださり、鹿児島の居酒屋 -屋、というよりは外 (奥様談) -で更にお話を伺うことが出来きるという、本当に幸せな時間を過ごしました。(倉掛さんのお話は可笑しくて可笑しくて、笑いすぎて涙が出ました。そして居酒屋の店員さんは、全員が西郷さんみたいでした)

最後に連れて行って頂いた、天文館通りのクラフトビアバーは大盛況。日本のクラフトビールブームを実感しました。ビール良し、食べ物も良し、気候もいい鹿児島。帰りたくなくなっちゃいますね。いつか住んでみたい。。

城山観光ホテルに一泊し、翌朝は露天風呂から桜島の横から朝日が昇るのを眺め(実はホテルにチェックインした際、あまりに桜島が近くて気が付かず、桜島はどこかと聞いて大恥をかきました。ホテルからの眺めは絶景です。桜島は目の前!笑) 全国でトップ10にランクインしている有名な朝食を頂き、ホテル名物のさつま揚げを実家に手配し、後ろ髪をひかれつつ新幹線さくらに乗りました。(←滞在時間が短いわりに、ちゃっかり色々と満喫してますね)

倉掛さん、奥様さとこさん、なつ子さん。 たった3名であの醸造所を切り盛りしていらっしゃるなんて、本当に凄いです!今度は南カリフォルニアへ是非、遊びに来てくださいね。約束ですヨ!^_^

私達はこの日、新幹線から特急サンダーバードに乗り換え、富山へと向かいました。

次回は富山編です

(最後にビールに関して)
マイケルの一番のお気に入りはベルギーホワイト。鹿児島産の小みかんを使うというアイデアも素晴らしいですし、まさに日本でしか飲めない、日本の美味しいクラフトビールでした。私は黒糖スタウトの美味しさが忘れられず、けやき広場でももう一度飲みました。香ばしい香りとスムーズな飲み心地は、料理の味を邪魔しない、晩酌に最適な美味しいビール。ぜひ鹿児島で、鹿児島のお料理と共に味わっていただきたいビールです。

(サイトはこちら)
城山ブルワリー
城山観光ホテル

感覚を磨くということ -匂い

前回はビールのASTMOについて書かせて頂きました。 じゃあ、早速書いてみようっと、張りきったものの、A(見た目)は簡単だけど、匂いと味の感覚というのは難しいですね。友人が “花のような香り” と表現しても、自分には ??? ということもあります。今回は、日常生活で出来る感覚の磨き方について、丁度うちにはヒマそうな猫がいますので、この子を使って分かり易く説明しようと思います。

出番ですよ!ちょっと漫画をおいてこっちにおいで

 

“えー いまいいところなのに。。”

今日の夕食は秋刀魚なんだけどな。

 

“。。。じゃあ、やろっかな”

それではまずその1、外気を感じる

外出することは、感覚を磨く上でとても大事です。 外に出たら鼻から息を吸い、匂いを感じてみてください。同じ場所でも時間帯によって、季節によって匂いが違いますよね。“今日はお日様の匂いがするな” “ちょっと湿っぽい匂いだな” など考え、表現してみてください。

その2、食べ物や植物の匂い

普段食べている食事、スーパーマーケットの食品売り場、花屋さん、公園などはとても勉強になります。前回のブログにあった “leafy(葉のような), grassy(芝生、草のような), floral(花のような), piney(針葉樹のような), citrusy(シトラスのような)” など、実際の匂いを感じ、次にビールを飲むときに、思い出しつつ、表現してみてください。

その3.仲間といっしょに

“どう思う?” など、人と意見を交換することも、とても大切です。新たな匂いに気が付いたり、表現の仕方など、勉強になることが沢山あります。前にブログでも書かせて頂いている通り、感覚はひとそれぞれですので、他の人と意見が違っても、あまり気にすることはありません ^_^

その4.レビューを読んでみる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネットや本などで、そのビールのレビューを読んでみるのもおすすめです。こういう書き方もあるんだな、こういう意見もあるなんて!と驚くことも多いです。ビールを片手にビールに関してネットサーフィンなんてしていると、あっという間に時間が経ってしまいますよね ^_^

その5.書いてみる

最後はやはり、書いてみる、です。ある本では、ノートに書くのが難しければ、紙ナプキンにでも、と薦めているくらい、自分で書いて残しておくことは、感覚を磨く上でも、ビールの記録としても、とても大切です。

どうでしょう、書けました?

 

 

 

 

 

 

“ダメ!見ないで!”

もちろん嫌だったら、人に見せる必要はありません。たまに自分でパラパラと読み返してみたり、同じスタイルのビールを飲んだ時に、前の記録を読んでみたりすると、楽しいですよ!

如何でしたでしょうか?最後に、私の大好きな本のひとつ Tasting Beer からの一文を紹介させて頂きます。この著者はユーモアたっぷりで、読みながら微笑んでしまう素敵な文章を書くんです:

Sensory Enhancement Practices: Take a walk or drive around with your windows open and really pay attention to how smells change from location to location. I think about half of tasting skill is just being able to concentrate. I especially like Chicago around lunchtime.

感覚を鍛えるには: 外を歩いたりドライブする際には、窓を開けて、場所から場所へ移動することで変化する匂いについて、真剣に注意をはらってみてください。テイスティングのスキルの半分は、どれだけ集中出来るかであると私は思うのです。私が特に好きなのは、シカゴの昼食時の匂いです。

まじめなことを書きながら、最後の文章で そうそう、お昼時ってレストランやカフェからいい匂いがするものね、と くすっと笑わせてくれます。

次回は味覚という感覚についてです。

ビールのASTMO

ASTMOとは、Appearance(見た目) Smell(匂い) Taste(味) Mouthfeel(食感) Overall(まとめ) のことです。Beer Advocateなど様々なサイトやブログでビールを評価する際に使われています。もちろんこれよりも細かいカテゴリーを使う人もいれば、味と食感だけに特化して書く人も。匂いを重視する人もいるでしょう。これは人それぞれです。とりあえず、この基本5つについてBeeradvocate.comが解説していますので、まずはそれを紹介させて頂きます。

(*)括弧内で日本語に訳してみました。日本語で近いと思われる表現を使ってみましたが、この作業は面白い!もっといい訳を思いついたら、更新させて頂きます。(ご指摘、翻訳のアイディアも大歓迎です。遠慮なくコメントしてくださいね ^_^)

Appearance(見た目)

  • Beer’s color -ビールの色
  • Carbonation -炭酸の具合
  • head and its retention - 泡立ち、泡持ち(直ぐ消える?それとも残っていますか?)
  • clear or cloudy - 透明?それとも曇っていますか?
  • lackluster and dull or alive and inviting -精彩に欠けてぼやっとしている?それともイキイキと美味しそうに見えますか?

Smell(匂い:モルト、ホップ、イーストの3種類あります)

  • Malts(モルト): sweet(甘い), roasty(ロースト(炒る)したような), smoky(スモーク(煙)のような), toasty(トースト(カリッと焼いた)ような), chocolaty(チョコレートのような), nutty(ナッツのような), caramelly(キャラメルのような), biscuity(焼き菓子のような香ばしさ)
  • Hops(ホップ): dank / resiny(暗い森の中のような、湿っぽい), herbal(ハーブのような), perfumy(香水のような), spicy(香料の、ピリッとした), leafy(葉のような), grassy(芝生、草のような), floral(花のような), piney(針葉樹のような), citrusy(シトラスのような)
  • Yeast (イースト):fruity (フルーツの香り)flowery aromas (花の香り)

Taste(味:一口飲んでみて、味わってください。表現はSmell(匂い)の項目と同じようになるかもしれません。感じた味を書き出してみてください。)

  • Well-built(しっかりした味わい、味の出来)
  • Balance (バランスはどうか)
  • Specific dominance of character (際立った特徴は?)
  • How does it fit the style? (ビールのスタイルに合っていますか?)

Mouthfeel(食感: もう一口飲み、ビールのボディについて感じてみてください)

  • Light(軽い), heavy(重い), chewy(腰の強い), thin / watery(薄い、水っぽい), smooth (スムーズ、滑らか)coarse(荒い、ざらざらしている) flat(炭酸が殆ど無い), over-carbonated(炭酸が多い、多すぎる)

Overall (まとめ: ビールの感想)

以上がASTMOです。これ以外にも、ビールを表現する言葉は沢山あると思います。思いついたことを色々と書いてみてくださいね。表現が思いつかない時に、上記を参考にして頂けましたらうれしいです。

香り、味には日本の表現ではあまり見かけない表現がありますし、また国によっても匂いが違いますよね。空港に降り立つと、その国のスパイスの香りがすると聞いたことがあります。日本の空港は醤油の匂いがするとか。

先日、あるビールを飲んで、何かの味に似ている。。以前飲んだ何かに似ている。。と必死に考えていました。子供の頃の、なんとなく懐かしいような味。 隣で飲んでいた台湾人の友人が ”これ、台湾の咳止めの味がする” と言われたのをヒントに、思いつきました。 子供の頃、風邪を引くとシロップで飲まされたあの味。

“葛根湯だ!”

残念ながら葛根湯を知っているアメリカ人はその場におらず、同意を得ることが出来ませんでしたが、日本人の私にしてみたら、どう考えても葛根湯味のビールでした。(葛根湯にはシナモンとジンジャーが入っているようなので、そこから来たのかもしれません)

ちなみにアメリカ人の友人は、ジントニックを飲むとある味がするといいますが、その味を私は食したことが無く、イメージが沸きません。

こう考えますと、ビールを飲んだ感想は人それぞれ、そして育った環境、食文化によって色々異なってくることが分かります。面白いですね!

ビールのテイスティングの話、もう少し続きます(^_^)

ビールの評価をする前に

最近、こんなジョークを聞いて大笑いしちゃいました:

“アルコール依存症になっても、ワインを飲む人はリハビリ施設には入れてもらえないよ。誰もワインのウンチクなんて聞きたくないからね”

美味しいクラフトビールを飲んで世界が広がると、色々なスタイルのビールを試してみたくなります。ワインスノッブほどではなくとも、感想を聞かれたら“美味しいビールだよ”だけではなく、分かりやすく説明したいと思いますよね。自分の味覚を上手く表現するために、飲んだ感想をメモしている人も多いのではないでしょうか。酔い と 味覚 について前回書かせて頂きましたが、いよいよ実際にビールのテイスティングに入る前に、楽しく味わうコツについて書かせてください。

1.Open your mind 心をオープンにして
いきなり何をヒッピーみたいなこと言っちゃってるのという感じですが(笑) これはとても大切です。知らない場所に旅行に行く様な気分で、ビールとの出会いを楽しんでくださいね。

2.味覚は自分だけのもの
前回も書かせて頂いたとおり、味覚はひとそれぞれです。生まれつき、経験、そして体調などが影響します。周りの意見と違っても当たり前ですし、感じ方も違います。ある醸造者曰く “ビールを味わうのはアートと同じ。人によって感じ方は違うし、正解も間違いも無い” また楽しく酔った経験などにより、味覚が変ることも前回述べたとおりです。以前は美味しいと思わなかったけど、今は大好き、なんて意見が変わっても当然ですから、今の自分の味覚を楽しんでみてください。

3.ビアフェスではビアフェスを楽しんで
フェスティバルは様々なクラフトビールが試せる素晴らしい機会です。ただ、その状況などから酔い味覚が影響され、正確な判断をするにはちょっと不向きです。フェスティバルは楽しく、その雰囲気などを思う存分味わって頂き、ビールの評価はほどほどにしておくのがお勧めです。ガイドツアーがあれば参加するのもいいですし、バンドの生演奏を聞いたり、人と話したり。普段は飲めない遠方からのブルワリーのビールをチェックしたりと、フェスティバルならではの楽しさを満喫してください。

4.ビールのスタイルについて知っておく
係りの人に聞いたり、メニューやボトルをじっくり読んだりして、ビールのスタイルについて知ってからオーダーするのがお勧めです。軽いビールが飲みたかったのに、どっしりとしたモルト感タップリのビールが来てしまうと、これもまた正確な評価が出来なくなりがちです。

5.感想を書き残してみる
ノートにでも携帯端末にでも、感想を書き残すことはとても大切です。酔って楽しくなってくると、面倒になりがちですが、書くのが面倒になったら、それは酔っている証拠とも言えますね(笑) そうしたらノートから離れ、後は楽しく飲んでください。私はアナログですが、小さなノートとペンを愛用しています。これは実際、使い勝手がとてもいいです。同席した人に、ちょっと貸してなんて頼まれることもあるんですよ。そして実は、後で自分で読み返してみると、けっこう面白いです。(今、私が一番最初に書いたことはなんだろう?とノートを見てみると、記念すべき第一行目は “ライ IPA のめる” と書いてありました。まったく覚えていないのが自分でも可笑しいのですが、飲めたらしいです)

人が集まっているところでノートを出すのはちょっと勇気がいります。“なーにおベンキョなんてしちゃってんの!”とからかわれる事もあるし、他の人がクンクンとビールの匂いを嗅ぎながらノートに何かを書きつけているのを見ると、ちょっと引いちゃったり(←ひどい)します。でもたった一行、たった一言でいいので、そのとき感じたことを酔っちゃう前に書いておくと、後々、自分で自分を誉めてあげたくなりますよ!(^_^)

それでは次回は、ビールの A S T M O についてです。

味覚について ー 生まれて初めて飲んだビールは苦かった

生まれて初めてビールを飲んだとき、苦くて美味しくないなあ、と思いませんでしたか?前回は 酔い について、アルコールの量以外にも酔いに影響する要因があることを述べましたが、実は味覚も、様々な要因によって影響を受けています。

1.経験
最初は苦くて不味いと思ったビールも、今では大好きという方は多いのではないでしょうか。これは実はアルコールによる酔いで気分がリラックスしたり、楽しくなったという経験から、美味しいと感じるようになるそうです。 逆に、どんなに美味しいと言われるものでも、嫌な経験があったりお腹を壊したりすると、食べられなくなることもありますよね。

経験によって嗜好が変ることもあります。今はホップが強くて苦いIPAが苦手だったという人でも、美味しいIPAを楽しい雰囲気で飲み、気持ちよく酔ったり、値段が高かったり(笑)することで、それが経験となって段々と好きになることもあります。

2.実は生まれてくる前から
味覚は幼少時に形成されるというのは有名ですが、昨今の研究では、実は母体にいる時から影響を受けていることが分かってきています。生まれてくる前から、人は自分が育つ環境の食べ物がある程度インプットされており、そこから経験を重ねていくわけですね。

3.色
白ワインに赤い色を付けて試飲するという実験をしたところ、ワインの専門家でさえも、赤ワインの味の特長を挙げたそうです。

4.音
海辺のレストランで美味しい料理を食べた記憶があると、他のレストランでもその音を流しただけで、料理の評価がかわるそう。また、レストランの雰囲気に合わない音楽をかけると、料理の評価もその影響を受けるとのこと。

5.匂い
鼻がつまっていると、味が良く分からなくなりますよね。

6.気分
気分は酔いにも影響しますが、味覚にも影響を及ぼします。気分が落ち込んでいたりすると、味気なく感じるそう。これは味に集中できないだけではなく、実際に脳が舌に影響を与えているそうです。

最後に、スーパーテイスター(Super taster)という言葉を聞いたことはありますか?人類のだいたい25%はこのスーパーテイスター、25%はノンテイスター、残りの50%がその間(つまり普通?)と言われており、スーパーテイスターは普通の人よりも舌に 味蕾が多く、3倍強く味覚を感じると言われています。

スーパーテイスターって、何かカッコイイ!でもいいことばかりではありません。味覚を強く感じすぎるため、好き嫌いが多くなったり、食べられるようになるまでに人より時間がかかることもあります。なので、えーIPAが好きじゃないの?この美味しい苦さが分からないなんて、とビール通のお友達に言われても、がっかりする必要はありません。そんなあなたはもしかしたら、スーパーテイスターなのかもしれません!

というわけで、味覚と言うのは生まれつきそして経験などの要因から形成されていくわけなのですが、これと 酔い を踏まえた上で、次回は実際にビールを楽しく味わうコツについて書かせて頂きます。

(参考文献)
Taste the difference
Taste(Wikipedia)

自分がスーパーテイスターかどうかをチェックする簡単なやり方は日本語でこちらに書いてありましたので、リンクさせて頂きます。超味覚って、いい訳ですね!(Gigazine

味覚の前に酔いについてなど

健康診断に行った時のこと。昨日は何を食べました?と聞かれ、チャイニーズ(中華)と答えたら You mean, Chinese FOOD. “チャイニーズフード(中華料理)ですよね?” と掴みのジョークをかまされました。思わずチャイニーズ(中国人)に齧り付いているところを想像してしまい、お医者さんとゲラゲラ笑ってしまいましたが、先生、きっとメキシカンと言った人にはメキシカンフード?ジャパニーズといった人にはジャパニーズフード?と言って笑わせているんでしょうね。(そして そうそう頭からガブっとね、などと返すアメリカ人のオジサンは絶対にいるはず)

そんな味覚(?)の話は置いておいて、ビールのお話を。試飲会などに行き、試したいビールがたくさんあると、酔いたくないなあ、なんて思います。本来は酔いを感じ、リラックスして楽しむための飲み物なのに、本末転倒だと自分でも笑ってしまうのですが、私の場合、酔っ払うと細かい味が分からなくなってしまうんです。なので、あーもう今日は駄目だわ、と思ったら、試飲したいビールは日を改めて出直すことにしたりします。

これからしばらく、味覚について書いていこうと思っていますが、お酒は他の食べ物と違い、酔いと戦いながら感覚に集中する必要がありますよね。(試飲会や審査会では飲み込まないこともありますが、ここでは一般的な場合において) そこで、まずは味覚の話の前に、酔いについて少し触れたいと思います。

これを読んでいらっしゃるオトナの皆様は自分の限度をご存知の方が殆どだと思いますが、実はアルコールの酔いは、ビール1杯2杯といった量以外のことにも影響します。CraftBeer.comでは以下の8つを挙げています:

1.Food Intake 食物摂取
空腹の状態でアルコールを飲むと酔いが回りやすいのは良く知られている通りですね

2.Mood 気分
飲むときの気分も酔いに影響します。悩み事があると、飲んでも飲んでも酔えないなんてこともありますよね。

3.Medication 薬
お薬を飲んでいる場合は、特に注意が必要です

4.Age 年齢
歳と共に弱くなったり。。

5.Mental and Physical Health 精神そして肉体の健康状態
疲れていたり、ストレスが溜まっていたり

6.Percentage of Body Fat 体脂肪率
アルコールは脂肪に取り込まれにくく、体脂肪率が高い人ほど、血中アルコール度が高くなるといわれています。

7.Water in the Body 体内の水分量
お酒を飲む前にどれだけ水分を補給していたか、また飲みながら水分を補給しているか。これは私の場合ですが、試飲の量が多いと分かっている日は、朝からなるべくたくさん水を飲み、試飲中も水を飲むようにします。夜寝る前も水を飲んでからベットに入る(トイレに起きちゃいますが)と、夜中に寝苦しくなることも、二日酔いなども無く、スッキリ起きられます。

8.Time From First Beer 一杯目のビールからの間隔
間隔が短いと、酔うのも早いですよね。

こうしてみると、意外と多い!これだけ色々な要素が酔いに関係しているなんて、面白いですね。限界が分かっている大人でも、酔い過ぎて失敗した!二日酔いになっちゃった、なんてことが起きてくるわけです。

もうひとつ忘れてはいけないのが、アルコール度数。ビールはだいたい5%、、なんてことはありません。スタイルなどによって3%から10%以上のビールもあります。

飲む前に(酔う前に?)メニューで確認してもいいですし、分からなければサーバーに確認してみてください。 アルコール度が高い場合は、ゆっくり楽しんで飲んでくださいね。

それでは飲みすぎず酔いすぎず、ほろ酔い加減で楽しみながら、次回は味覚について考えていきたいと思います。

 

発表!勝手にビールアワード 2012-2013

日本でビールブロガーさん達が年に一回行うというビールアワード。生ビールブログとりあえず生!のタカバシ王子さまから教えてもらい、いいですね、やりますやります!なんて、安易に乗ったのですが、けっこう難しい!でも悩めることは素晴らしいことですね。それだけたくさんの美味しいビールに出会えた、良い年でした。

悩んで悩んで、ようやく昨晩、なんとか決定。同じように本日アップするブロガーの皆様も、ずいぶん迷われたのではないかと思います。お疲れ様でした!また来年も、たくさん悩んで発表できる年にしたいですネ!

まずはマイケルのチョイス

 

 

 

PNC (Firestone Walker Brewing)
American Strong Buckwheat Stout アメリカンストロングバックウィート(そば)スタウト

ファイヤーストーンブルーイング16周年記念ビールのリリースパーティで初めて飲みました。この時のPNCはテキーラ樽で熟成させたバージョンでした。最近ではバーボン樽も出ているようです。

インペリアルスタウトよりもヘビーだが、ロシアンインペリアルスタウトとも違う、ボディの強さ。 なんといっても、テキーラのシャープさ、熱さが感じられるのが驚きでした。これはボトリングされていないのですが(グラウラーの販売でも残念ながらありません)アメリカを旅行中に見かけたら、ぜひテキーラ樽のバージョンを試してみて頂きたいです。

ITEM NINE (Brash)
American IPA アメリカンIPA

小麦をつかったホワイトビールのIPAという、とてもユニークなビール。ヒューガルデン(Hoegaarden)を彷彿させる軽さと爽やかさにプラスされた、どっしりとしたボディー感、なのにふわっとした感じ(Thick and heavy body, but fluffy. ) 更にホップのビターとアルコール度の高さが、なんとも面白いミックスのビールです。

ショップはこちら

 

 

続いてエミのチョイス:

 

 

 

California Ale (Telegraph brewing)
Belgian and French style ale ベルギー&フランススタイルエール

素晴らしい香りと、深みのある味わい。バランスとは、美味しいビールとは何かということを教えてくれた、2012年の大切なビールです。

ショップはこちら
醸造者インタビューはこちら

 

The Tied and Its Takers (Anchorage Brewing)
Tripel トリペル

アンカーレッジブルーイングのビールは、どれも大好きです。特にこのTied and Its Takersとの出会いは強烈でした。実はこのビールを飲んで初めて、ビールの感想を書き出したんです。それまではメモ用紙にちょこっと書くだけだったのですが、このビールを飲んだ瞬間、物凄いインスピレーションを受けて、書かずにはいられませんでした。今まで飲んだどのビールとも違っていたからです。

ショップはこちら(現在Ratebeer.comで99点というハイスコアのビールです。年に一回の醸造で、とても人気があります。ご希望の方はお早めにお願い致します)

いかがでしたでしょうか? 日本の皆様の発表も、とても楽しみにしています!^_^

 

ミード・サイダー・ペリーについて

ミード・サイダー・ペリーの3種は国や地域によって定義が異なりますが、アメリカでは一般的にアルコール飲料です(移民の国アメリカですから、州によって違うこともありますが、ここではBJCPの定義に基づいて書かせて頂きます)

ビールとほぼ同じ要領で作りますが、麦の代わりに果物や蜂蜜を用います。麦の糖分の代わりに果物や蜂蜜の糖分を使ってアルコールを作るわけですが、使われる材料によって名前が付けられています: Continue reading

ハイブリッド・ミックス・スペシャルビールについて

先日サイトを見てくださった方から、SHOPで販売しているビールがマニアック過ぎる、と誉めて頂きました。(←誉められてますよね?) いずれはこのマニアックな品揃えとブリュワリーに関しても説明していきたいと思いますが、せっかくのBeer Study Group、ビール研究会ですから、まずは基本情報の説明をさせて頂こうと思います。もう少しお付き合いくださいませ。

ラガーについてラガーとその種類エールについてサワーエールサワーエールとアメリカの挑戦アメリカンワイルドエール、そしてストロングエールと説明してきましたが、本日はハイブリッド・ミックス・スペシャルビールに関して書かせて頂きます。

ハイブリットと聞くと、車のことが思い浮かびますが(私だけ?)、ハイブリットとは“混合”という意で、 Continue reading