Category Archives: ビール用語

クラフトビールという言葉について

クラフトビールって何でしょう?

 

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日本では大手ビール会社が〝クラフトビール” の醸造を開始 なんてニュースを目にするようになりました。 Continue reading

なぜ人はホッピーなビールを求めるのか

昔々、火を起こす燃料は非常に貴重なものでした。冬に切らせば命に関わりますし、外に行って枯葉を集めたり木を切り倒してそれを薪にして、大切に使っていたことでしょう。そんな貴重な燃料を使い、誰がどうして、ビールの醸造にホップを投入し苦味と香りを出すようになったのか。そしてホップを加えることでビールの腐敗を遅らせることが出来ると気が付いていたのかどうか。実は未だに謎のまま。ビールの歴史上の大きなミステリーとされています。

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バルチックポーターとは

バルチックポーターとはとても面白いスタイルで、バルト海という特殊な地理条件から、イギリスの伝統的なポーターと、イギリスから当時のロシア帝国に輸出されたインペリアルスタウト、両方の影響を受けつつ、主にバルト海の近隣諸国で醸造されているビールなんです。

地理的にも歴史的にも、とても興味深いこのビール。まずはバルト海とはどこなのかを、地図で確認してみたいと思います。

地図上の A の場所ですね。もう見ただけで、政治的にややこしそうな場所ですが、バルト海はご覧の通り内海で海況が穏やかなため、古くから商人達の交易の場として栄えると共に、様々な国が利権を巡って戦ってきた場所でもあります。18世紀に盛んにイギリスで醸造されていたポーターがイギリス商人達によってバルト海沿岸諸国に輸出され、その影響で沿岸の地域でポーターの醸造が始まったと考えられていますが、更にその土地でもともと醸造されていたビールの影響も受け、ラガー酵母を使ったり、エール酵母でも非常に低い温度で発酵されたりと、本来のイギリスのポーターとは違った、独自のスタイルに変化していったそうです。面白いですね!

今回、このスタイルについて調べていたところ、あるサイトで “バルチックポーターはIron Curtain (鉄のカーテン)が落ちるまで、西側の人々の目に留まることなく、ほとんど忘れ去られたスタイルだった” と書かれており、非常に考えさせられました。 Iron Curtain、第二次大戦後の、冷戦の緊張状態を表したこの言葉ですが、このカーテンにより、長いことヨーロッパは東西に分かれ、お互いの行き来さえもままならない状態でした。ドイツが壁によって東と西に分かれていたことなんて、今ではなんだか信じられないような話ですね。

今ではバルト海沿岸の諸国だけではなく、世界各国でこのスタイルのビールが醸造されています。あまり知られていなかったスタイルや新しいスタイルというのは、やはり醸造者にとってはとても魅力的なのでしょう。自家醸造者の私でさえ、いつか造って見たいと心惹かれています。

アルコール度が高く濃厚な味わいのポーターですので、喉を潤すというよりはゆっくりちびちびと飲むのに適しています。日本でこのスタイルを見つけたら是非飲んでみて頂きたいのですが、その際は最初に載せた地図を思い出して、ぜひ歴史に思いを馳せてみてください。

昔々はバイキング達が活動していたというこの海。美しい人魚の存在も信じられていたことでしょう。イギリス商人達が船で運んできたポーターは、どんな味がしたでしょうか。そして彼らは、沿岸地域で醸造され出した新しいポーターを飲んで、どんな顔をしたでしょうね。 “これはポーターとも、インペリアルスタウトとも違う。。これはバルチックポーターだ!” と叫んだ。。なんていうのは私の妄想です (^_^)

いんぐりっしゅとジャパニーズ -セカンドラングリッジ(Second language)について

“なんで、僕の日本語は通じないのかなあ?” とある日マイケルに言われました。

わかる!わかるよマイケル。その気持ち。正しい単語を使っているし、文法も合ってる。でも通じない。それはね、第二言語を持つすべての人が直面することなんだよね。

第二言語(Second Language)とは、主に使われる母語 -日本人だと日本語 -の次に学んだ言葉のことです。(殆どの日本人にとって、第二言語は英語になるのではないかと思います。)人によっては、第三、第四言語を持つこともあります。そして大体どれも、母語のアクセントを引き継ぎます。 Continue reading

ブルワリー、それともブリュワリー?表記について

突然ですが、みなさんはアメリカの俳優、マシューマコノヒーをご存知ですか?突然何を言い出すやら。。と呆れていらっしゃるかもしれませんが、まあまあ。ちょっと聞いてくださいませ。(画像はWikipediaから)

英語圏の人に会ったら、アメリカの俳優、マシューマコノヒーって知ってる?と聞いてみてください。まず十中八九、誰のことを言っているのか通じないはずです。そこでこの写真を見せると、きっと彼もしくは彼女はこう言うと思うんです

“マッ%&*、マックァ%$*--!”

もし周りに人がいなかったら、ちょっと口に出して言ってみて欲しいのですが、マシュー と発音すると、舌はどこにありますか?おそらく口の中央辺り、どこにも触らないのではないかと思います。では次に、ザ!ベストテン!のザ(The)、と言ってみてください(注1)。舌は口の中、上部を触りませんか? これがTHの発音ですので、マシューのスペルは Matthew。The と発音した舌の動きを意識して、読んでみてください。マテェウ?マチュー?マッスゥ? Continue reading

ビールはどのように保存しますか

先日、酒屋さんのレジに並んでいたところ、前の女性がビールの返品を申し出ていました。理由は “保存場所が無いから” - 実話です。 ビール好きの方なら、どなたも経験があると思われる、保存場所の問題。 昨日ビールの適温について書かせて頂いた後、ビールを保存する場合の温度の問い合わせを頂きました。ご質問、ありがとうございます!(^_^) 今日は保存について書かせて頂きます。(ビールによっては醸造メーカーや小売店からのアドバイスがあると思いますので、その場合にはそちらを優先してくださいね。) Continue reading

ビールの適温とは

ビールには色々な種類があって、種類によって適温も変ってくる、というのはご存知かと思います。ビアバーに行くと、それぞれの適温でサーブしてくれると思いますが、今回は自宅で飲む場合について、少し書かせて頂きたいと思います。だって、家でグラスに注いで飲むときに、温度計できちんと測るという方は、そんなにいないと思うのです(^_^) Continue reading

ブレタノマイスとは何ですか?

ベルギービールやワインをお好きな方なら、耳にしたことがあるという方も多いと思います。以前Beer Study Groupでも少しだけ書いたことのあるブレタノマイス。 最近はアメリカのクラフトビールで使われることが多く、ビールの勉強会へ行くと、必ずこのブレット(Brett- ブレタノマイスを略してこう呼ぶことが多い) を使ったビールを数本見かけます。今日はこのブレットについて、説明させていただきます。 Continue reading

インペリアル(Imperial)なビールって、どんなビール?

カタカナの名前を覚えるのが苦手、という方は多いのではないでしょうか。カタカナの人名や地名でも一苦労なのに、いわんやビール用語をや。一度聞いたくらいでは、覚えるなんてとても無理。勉強しようとノートを持ち歩いても、楽しく飲んでいる最中にメモするなんてこれまた不可能。スタイルなんか覚えてなくてもいいもん。ビールは頭じゃなくて舌とハートで飲むんだぜ、なんて言っても、やはりビール談義に加われたらカッコイイかなあ。カウンターのスツールに腰掛けて “この柑橘類の香りはまさしくIPAって感じだね。でもこのボディー、アルコールの強さ。。インペリアルにふさわしい出来だね” なーんて言ってみたいよぅ! というわけで、Beer Study Groupでは普段よく聞くけれど、そういえばこれってどういう意味?というカタカナや横文字について、皆様といっしょに、ゆっくりじっくり、楽しんでいきたいなと思っています。

今日のタイトルは インペリアルなビールってどんなビール?です。 Continue reading

Wood and Barrel aged どうして木や樽を使って熟成するの?

突然ですが、樽に入っている食品は、なんでも美味しそうに見えませんか? 日本酒、味噌、しょうゆ、ワイン。。。そしてビールも! Barrel aged-樽で熟成されました、と書いてあると、ついつい手が伸びてしまうという方もいるのではないでしょうか。 実際、先日ビールの勉強会に行ったときは樽で熟成したIPAが登場し、参加者が次々と試飲のグラスを持ってボトルの回りに集まりました。

写真は訪問した小さなブリュワリーの倉庫。樽で熟成中のビールが静かに出番を待っていました。 ではそもそも、どうして樽で熟成するんでしょうか? 少し古いですが、2009年のニューヨークタイムズの記事 Roll Out the Barrel, Open Your Wallet (樽を出そう、財布を開けよう) という記事がとても良く説明していますので、そこから紹介させていただきます。 Continue reading