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いよいよ開幕!サッカーワールドカップ。ところでバドワイザービルって、何のこと?

 

 

 

 

 

いよいよブラジルで、FIFAワールドカップがはじまりました!

私はオフサイドもイマイチ分かっていないサッカー運痴ですが、日本とアメリカの試合はちょっと見たいなあ、なんてミーハーなことを考えています(^_^)

さて、皆さんはスポーツをスタジアムで観戦する際、ビールを飲む派?それとも飲まない派ですか? 日本の夏、ナイター観戦中のビールっていいですよね。

FIFAワールドカップ開催地のブラジルでは、2003年以降、法律でスタジアム内でのアルコールの販売が禁止されていました。理由は、サッカーが原因の暴力事件が多かったからだそう。ブラジルではサッカーは宗教だといわれるくらい、私達の想像を絶するほど熱狂させるイベントなんですね。実際に殺人事件も年に4-5件起きていたとのこと。

FIFAワールドカップの開催地にブラジルが選ばれて以来、このことで実はずっとブラジル政府とFIFAはもめていました。なぜならFIFAの公式スポンサーは、皆様ご存知の

 

 

 

 

 

 

 

バドワイザー!

法律に従いビールを観客に提供したくない開催国ブラジルと、ビールを提供しないワールドカップなんてあり得ない!とプッシュするFIFA。

FIFA役員の一人であるJerome Valcke氏によると:
“Alcoholic drinks are part of the Fifa World Cup, so we’re going to have them. Excuse me if I sound a bit arrogant but that’s something we won’t negotiate,”
アルコール飲料はFIFAワールドカップの一部。飲まないなんて事にはならないよ。ちょっと横柄に聞こえたら申し訳ないけど、FIFAはこのことに対して交渉なんてする予定はない”

軽く謝って余計にFIFAの横柄さが際立ってしまったこのコメント。アメリカのナイトショーで、このインタビュー映像は散々イジられていましたが、まあ当然の報いです。

いくらなんでも法律を変えてまで。。と思いますが、FIFAの強力なプッシュで、法案が成立そして議会で可決。通称バドワイザービル(Budweiser Bill) と呼ばれています。開催国の法律を変えてサーブされるバドワイザー。大事な場面でトイレに行きたくならないように、気をつけて飲んで頂きたいものです。

これだけ読むと、FIFAとスポンサーのバドワイザーがひどく横暴に見えますが、せっかくのBeer Study Group. もうちょっと色々なニュースを読んで調べてみました。

サッカー場ではアルコールを販売しないという法律が2003年に施行されたのは前述の通りですが、その後のサッカーが原因とされる犯罪件数はといいますと 2004年-2008年の平均死者 5.6人、2007年と2008年にいたっては、どちらの年も死者7名と、実は法の施行前よりも増加しているのです。

原因としては、ブラジル全体での犯罪数が増えたこと、またサッカー場内に比べて外のほうが揉め事になっても警官の目が届かず、結果エスカレートし殺人事件にまで発展してしまう、といった意見もあります。

法改正を求めるFIFAの態度が良いとは思いませんし、バドワイザービルなんて名前を付けられたバドワイザーも、イメージダウンに繋がったと言えると思います。

しかしブラジルという国について考えると、憎むべきはビールではなく、犯罪。このバドワイザービル、そしてワールドカップを、犯罪率の低下には何が必要なのかをもう一度考える機会と捉え、ブラジルが更なる発展を遂げることを、心から願っています。

いつか是非行ってみたいですね!(^_^)そして暴動などなく、心からサッカーとビールが楽しめる日が来ますように。

(最後に) 次回、2018年開催国であるロシアも、同じようにサッカー場でのアルコール販売を禁止する法律があり、プーチン大統領は法の改正に難色を示しているとか。バドワイザービルの再登場なるか?

(参考サイト)
Brazil tops deaths due to football
BBC News Beer “Must be sold” at Brazil World Cup, says FIFA
Merco Press “Brazilians pessimistic about the economy and benefits from the World Cup”
the guardian “Brazil’s football violence is a symptom of a collapsed justice system”

なぜ人はホッピーなビールを求めるのか

昔々、火を起こす燃料は非常に貴重なものでした。冬に切らせば命に関わりますし、外に行って枯葉を集めたり木を切り倒してそれを薪にして、大切に使っていたことでしょう。そんな貴重な燃料を使い、誰がどうして、ビールの醸造にホップを投入し苦味と香りを出すようになったのか。そしてホップを加えることでビールの腐敗を遅らせることが出来ると気が付いていたのかどうか。実は未だに謎のまま。ビールの歴史上の大きなミステリーとされています。

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開発に2年、遂にサミュエルアダムスが缶に

サミュエルアダムスが缶になったと聞き、久しぶりにグラスを使わずに缶から直接ビールを飲んでみました。今日はサミュエルアダムスの創立者 Jim Koch氏のブログ記事 Samuel Adams in a Can を紹介しつつ、缶ビールについて考えてみたいと思います。

昔の缶と違い、技術が向上している今現在ではアルミニウム缶の内側に特別な内張りをすることによって、金属臭などを一切シャットアウトし(缶業者によってはビールの種類によって内張りを変えているそう)、尚且つ完璧に日光を遮断することで、光による劣化を防ぐことが出来ます。醸造者にとってはうれしいことですね。

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カリフォルニア名物 夏の山火事

日本の皆様、ゴールデンウィークは如何でしたか?フェイスブックなどで写真を拝見し、私も気分だけ楽しませていただきました ^_^

さて、アメリカには残念ながら春の大型連休は無いため、皆様の楽しい写真を羨みつつ、通常の平日の朝を迎えた日のこと。その日は朝からムッとする空気と、珍しい強風が吹き荒れていました。春一番にしては遅すぎるね、などと暢気に話しつつ、車に乗りこむと、いつものフリーウェイが大渋滞。

あれ?山火事?それにしても近いねえ。などとまだ暢気な私達。

 

 

なんだか火事に近づいているのでは。。。?

あっ 張り切って写真取りすぎて、スマホのバッテリー切れちゃった、あはは。などといいつつ、マイケルの職場に到着。駐車場で別れ、車を出そうとすると

ん?焦げ臭い。。? 山が燃えてる!! なんと目の前の山が燃えてます。こんな近くの山火事は初めて。マイケルに電話しなきゃ!って調子にのって写真撮り過ぎて、バッテリー無いんでした笑( というわけで燃えてる写真もありません。。新聞の写真はこちらをどうぞ)

帰宅して聞くところによると、マイケルのオフィスの窓から燃える山が見えたそうで、職場では “オマエ、ちゃんとタバコの火、消したのかよ” などシャレにならない冗談が交わされていた、というくらいカリフォルニアの人にとっては慣れっこの山火事。火は見えていても、風向きは逆、ということで、職場はそのままでしたが、近くの学校は安全のため閉鎖。付近の住民には避難勧告が出たり、シェルターがオープンしたりと、普段静かなこの街には珍しく、落ち着かない数日となりました。

私が住んでいる地域では避難はありませんでしたが、翌日は灰が雪のように降りました。幸い大きなけが人はなく、火事がはじまって5日後の今日、80%まで鎮火。本日は神の恵みのような雨に恵まれ、どうやら今日中にはすべて鎮火するのではないか、との予測です。

週末はイベントのため、山火事のニュースを気にしつつ、北部のブルワリーへ。こちらについては、また明日書かせて頂きますね!(^_^)

Drinking less, drinking better – 2012年アメリカのクラフトビール市場

Brewers Associationがまとめ、先日発表した2012年のアメリカクラフトビール市場調査。 前年比が数量で15%、金額で17%のアップという素晴らしい数字でした。(詳細のプレゼンテーションは最後に掲載しました) ビール市場全体でのクラフトビールのシェアは、数量で前年の5.7%から6.5%まで伸びています。

でも、こんなに伸びて大丈夫?いつかバブルがはじけるのでは?いいニュースばかりですと、ちょっと不安になってしまいますね。 今日は、2012年の市場調査の数字から、現在のアメリカのトレンドについて書かせて頂きます。

*アメリカ全体では6.5%だが、シアトル(ワシントン州)やポートランド(オレゴン州)ではクラフトビールのシェアは25-30%

まず、アメリカは日本に比べ、国土で24倍、人口で2.4倍の非常に大きな国です。24倍と言われてもあまりピンとこないかもしれませんが、地図の左側、海沿いにあるカリフォルニア州を見てみてください。日本のサイズは、ほぼカリフォルニア州と同じなんです。(若干日本の方が小さい) こうしてみると、アメリカがどれだけ大きいかお分かり頂けると思います。

大きな国ですから、日本で地域性があるように、アメリカでも州によってトレンドや性質が大分異なります。上記述べさせて頂いたように、オレゴン州やワシントン州ではクラフトビールのシェアは高く(それでもまだ30%!)、業界は成熟期に入ったと考えられていますが、まだまだシェアが低い州が多く、アメリカ全体では6.5%というわけです。現在このクラフトビールのトレンドは西海岸から内陸へ(地図では左から右へ)流れていると考えられており、今後どれだけ内陸で普及するかが、ポイントとなりそうです。(先日、日本でも大人気のFirestone Walker Brewing がテキサスでの販売を開始しました。) もちろん全州でシェア30%まで伸びるには、気候的にも州の性質的にも経済的にも難関が多いですが、この左から右へ、というトレンドの流れは、いい動きではないかと思うのです。

*ビール全体の消費量は減っている

クラフトビールだけでは伸びていますが、ビールという飲料全体の消費量は減ってきています。2011年の調査ですと、消費量で1.3%のダウン。2012年の数字はまだ出ていませんが、同じく減っているのではと思われます。これは一体どういうことでしょうか?

これに関しては、サミュエルアダムスでおなじみのBoston Beer Companyの会長、Jim Koch氏の言葉が的確なのではないかと思います。曰く

“It’s simple: People are drinking less and drinking better – 人々は飲む量が減り、そしてより良いビールを飲むようになったということだ。”

このブログでも何度か、アメリカには健康ブームが来ていると書かせて頂きました。(アメリカでクラフトビールのシェアが拡大する) このまま肥満問題が続けば、国防の危機だとまで言われているアメリカ。この drinking less and drinking better は人々が口にするものに注意を払いだしたことの現われであり、とても良い傾向です。この健康ブームが続く限り(アメリカには必須ではありますが) クラフトビールのシェアも拡大するのではないかと思います。

いかがでしょうか。これからまだ伸びそうなアメリカのクラフトビール業界、ますます面白いビールが出てきそうです。とても楽しみですね。 日本でのクラフトビールのトレンドやシェアも、大分変ってきたのではないかと思います。最後にBrewers Associationのプレゼンテーションを載せましたので、お時間がある時にでも、ぜひ見てみてくださいね。

(参考サイト)

 

 

アメリカでクラフトビールのシェアが拡大する③アメリカ人の平均サイズって?

突然暖かくなった南カリフォルニア。今日の予想最高気温はなんと27℃。こたつの購入を本気で検討していた数週間前が嘘のような天気です。

さて、美味しいクラフトビールは、美味しいお料理と楽しみたいですよね。2013年、Beer Study Groupではフードとのペアリングについても検証して行きたいと考えていますが、まずはアメリカでの食と健康ブームについて、少し説明させて頂きたいと思います。 Continue reading

(12月21日追記あり)BAの発表に、あるブリュワリーが“恥を知れ”と反論

(*)最後に追記を載せました

先日Facebookでお知らせした、BA(Beer Association)のCraft vs. Crafty。BAの定義する “クラフトブリュワリー”の条件に合わないブリュワリーは、クラフト とは認めません。という内容で、ノンクラフトブリュワリーのリストまで発表。(リストこちら: list of domestic non-craft breweries is available for download) これに対し、リストで名指しされたあるブリュワリーが Shame on you 恥を知れ と激しく反論する文書を発表しました。

いったい何が起きているのでしょう?これまでの流れと、現在までの状況について説明させて頂きます。 Continue reading

ABインベブとは 最終回 ABインベブの向かう先とは

連載でBloomberg Businessweekの記事 The Plot to Destroy America’s Beerを翻訳しています。
第一回 序章
第二回 カルロス・ブリトとは
第三回 ABインベブの誕生
第四回 そしてバドワイザーに何が起こったか

バドワイザーとバドライトの値上げは、アメリカ国内での売り上げを落とす要因となっている。バドライトの国内での出荷量は2009年から2011年の間に3%減、バドワイザーは13%減である。アンハイザーブッシュ時代の出荷量はインベブに買収される前は上がって来ていたとの数字もある。 ビール市場調査会社によると、販売量が減っても利益があがればそれはABインベブの狙い通りなのだという。“全体的に見れば、ABインベブは欲しいものを手に入れている” との見方だ。ABインベブの発表によると、海外でバドワイザーは大人気だそうだ。2011年、バドワイザーの海外での売り上げは3年前は28%に比べ44%に伸びた。アメリカ国内では苦戦しているが、それに対しABインベブは “すぐに改善されると期待するのは、現実的ではないですね。時間がかかるものなのです” と説明する。 Continue reading

ABインベブとは? 第四回 そしてバドワイザーに何が起こったか

連載でBloomberg Businessweekの記事 The Plot to Destroy America’s Beerを翻訳しています。
第一回 序章
第二回 カルロス・ブリトとは
第三回 ABインベブの誕生

数字に強いブリトにとって、アンハイザーブッシュのような古い家族経営の会社はカットするものが山のようにあった。まずは1400名の従業員を解雇。これはアメリカの全労働人口の6%にあたる。ブッシュガーデンや水族館といった資産を94億ドルで売却。ABインベブは更に、ボトルのガラスを薄く、ラベルを小さくし、そして12パックのケース箱をも薄くしてコストを削減する。合併前のアンハイザーブッシュは原材料の米は粒の揃ったものを使っていたが、ABインベブは割れた米を使う。“米は新鮮さが重要であって、割れているかどうかは問題ではない” と広報は言う。 Continue reading

ABインベブとは? 第三回 ABインベブの誕生

連載でBloomberg Businessweekの記事 The Plot to Destroy America’s Beerを翻訳しています。
第一回 序章
第二回 カルロス・ブリトとは

1989年にスタンフォード大学を卒業すると、ブリトは学費を援助してくれたブラジル人銀行家ラマンの投資するブラジルのブリュワリー(Brahma)で働き始める。営業部長のブリトの仕事は、モーターバイクで外回りをする営業部隊を統率することだった。1999年、このブリュワリーは他のブリュワリー(Antactica)と合併。ブラジル最大のブリュワリー、アンベブ(AmBev)となる。2004年、ブリトはCEOに就任。同年、ベルギーでベックとステラ・アルトワを醸造していたインターブリューと合併。こうしてインベブ(InBev)が誕生する。この合併により、何世紀もの歴史をもつブリュワリーの一員となったこのブラジル人達は、世界のビール業界に堂々と参入する手がかりを得る。当初のCEOはインターブリューのブロック氏が留任したが、一年半後には、ブリトとブラジル人の経営陣が会社の経営を掌握することとなる。 Continue reading